昭和の夜は華やかだっただろうなという街並みが、下吉田の西裏という地域にあります。西裏通りという通りの周辺に発展し、住所は下吉田ですが、西裏という名前で呼ばれている場所です。メインストリートの他に、ハーモニカ横丁、その他細かい路地が入り乱れ、現在も営業している飲食店、とっくに廃業してしまっている飲食店が軒を並べています。
昭和初期の建物が多いので、その作りは独特です。
モルタル、トタンといういかにもというものから、タイルで綺麗に装飾された外壁を持ち、レトロ感たっぷりの建物の、おしゃれな風景が現存しています。
織物の街、下吉田では、昭和初期まで月に2回、織物を取引する市が絹屋町という通りの民家を借りて開かれていて、絹屋町を抜けたところある西裏は、織物に関係する、作る人、売る人、買う人たちが仕事終わりに息抜きをする場でした。当時、糸の染色に明け暮れ、爪の奥まで染料で染まってしまっている男性は、仕事をたくさんしてお金を持っているということで、西裏では大モテだったそうです。
この一角には、なぜかユースホステルもあり、昭和の初めの佇まいを残しています。そういう昔懐かしい宿泊施設も、この富士吉田を訪れる方には魅力のようです。
LOISIRのエルトップから徒歩5分位。
西裏界隈
住所 山梨県富士吉田市下吉田3丁目付近
Writer:Tatsuji Kobayashi
Photo:Kosuke Tamura